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きまぐれムービーシアター

  心に残るあの迷作を!
    世界の怪作・奇作 大集合!

「お楽しみはここまでだ!」

 第13回 爬山虎


…というわけで、今回の作品は!

倉田保昭が「中国人ヒーロー」役を演じ悪の日本人と闘う!
  いくつかある唯一の(笑)完全主演作品…

爬山虎(TIGER)だっ!

ストーリー

 時は民國初年、軍閥が紛争する上海租界は、外国人の天下であった。 傍若無人にふるまう日本の軍人と武道家たち。 だがここに彼らに敢然と挑む一人の中国人青年がいた…(ビデオジャケットから類推)


 というわけで! この作品はいわゆる「怒りの鉄拳もの」(あるのか?そんなジャンルが?)の数ある中の一本なんですが、特筆すべきは! 日本が産んだ世界のクンフー・スター(たぶんまちがいないですよ…なんせ1972年の香港興行収入ベスト10の中に倉田さんの出演作は2本=「惡客(デビュー作)」と「餓虎狂龍」入ってますから)倉田保昭が、いつもの日本人=悪役ではなくて、中国人=ヒーロー役を演じていることなんですね、しかも完全主演作品

 …はいいんですけどねー、ひとつ気になる点が…
というのは、この「爬山虎」って作品、倉田保昭のフィルモグラフィーに入っていないんですよね!(^^;) 「激突!ドラゴン武術」なんかによると、倉田保昭が中国人ヒーローを演じた作品は「上海猛虎」ってことになっているんですが…(「和製ドラゴン放浪記」でも「爬山虎」って作品、リストにないし…)

 しかし!実際にここに「あるんだから仕方がない!」(By 丹波哲郎)というわけで、作品紹介しちゃいましょう!(^^;)

 …といっても、例によって日本未公開、未ビデオ化の作品でしかも中文字幕なしだから、ストーリーはあくまで推測なんですが…

 冒頭、人力車に和服の少女と乗っていた倉田さんが日本人にからまれるところから話は始まるわけですが、当然のことながら日本人たちはあっという間に倉田さんにやられてしまいます! それでこの少女(当然倉田さんの恋人で…どうも日本人大物武道家の娘だか知人の娘みたいなんですが)をホテルに送ったあと、スリに財布を盗られて、追いかけて廃屋に入るとそこには位牌が?! そして追いかけていたスリがほっかむりをとると、なんとそれはかって同じ道場で学んだ兄弟弟子!そして位牌は倉田さんの恩師の高名な武術家のものであった!(…でいいと思いますよ、たぶん、なんせパターンですから(^_^) 

 師は突如道場に殴り込んできた日本軍と、日本人武道家(どうも今ひとつこの両者の力関係がよく分らないんですよねー)の奸計により無残にも命を断たれ、あまつさえその亡骸をもさらしものにされてしまったのだ! 銃弾を浴びながらも命からがら逃げ延びた兄弟弟子は、その身を隠し、ひそかに復讐の機会を狙っていたのだった…(でいいと思います)

 そこで!あとの展開はもうご想像どおり、日本人武道家の道場(柔術だと思います)に乗り込んだ倉田さん(とその兄弟弟子)が、バッタバッタと日本人をなぎ倒し…となるわけですが、日本軍につかまった同胞の救出もしたり、と倉田さん八面六臂の大活躍!

 とにかくもう次から次へと倒すわ倒すわ…「いくら何でもそりゃないだろう?」ってぐらい敵を倒していきます!(どう少なく見積もっても…50人前後はこの作品の中で倒しているんじゃあないだろうか? 「燃えよドラゴン」の要塞島のブルース・リーよりもハイピッチなのは間違いなし! だって全編ほとんどアクションシーンなんだもん!)

 んで、これも売り物の一つなのか知りませんが、倉田さんが次から次へと衣替え(変装)をするんですよね!学生服風の詰め襟スタイルから、いわゆる人民服風のカンフー着(これも色違いで何着も!)、さらには警官、軍人、人力車夫、…と、ここらあたりまでは「怒りの鉄拳」でリーもやってましたが、さらには老婆看護婦ホテルのボーイと「お前は多羅尾判内か?」と突っ込みたくなるくらいの目まぐるしくさ! これって当時、現地(台湾)での倉田さんの人気が相当高かっって事なんでしょうねえ…

 で、倉田さんは日本軍に捕らわれの身となって、死んだものと誤解した恋人は川だか池だかに身投げして死んじゃうんですよね! そして、今まさに処刑されんとした倉田さんを助けにきた兄弟弟子も日本軍を道連れにして爆死

 そして最後は倉田さんと日本人大物武道家との一騎打ち!なんですが…さんざん殴りあった末、なんか最後は「フッ、お前もなかなかやるじゃないか?」みたいな感じで両者とどめをささずに別れちゃうんです!

 そしてラストは!独り荒野をさすらう倉田さんが恋人(メグミっていうみたい)の名を絶叫しておしまい!


という作品なんですが、おそらくこれって「上海猛虎」と同一作品だと思うんですよねー(制作年度とか監督とか同じだし) 香港・台湾の映画界って結構いいかげんで、1本だけの契約で取った作品がいつの間にか(編集で)2本になってたり、逆にいくつかの作品をまとめて新たに一本作ったりとか平気でするらしいですから…

で、「上海猛虎」だとしたら、「…倉田保昭の完全主演作で、役どころは中国人。 彼は、当時台湾でスーパースターだったが、どうして日本人を主役に映画を作るのかと新聞で大きくとりあげられ(当時は日中国交回復で対日感情最悪の時期)賛否をよんだ問題作」だそうです!

う〜ん、倉田さんって…やっぱりすごい人なのかなあ?

「くらたやすあきのしんらいが10あがった」(^_^)

(例によってビデオの入手先はこちら→新亜細亜貿易


…というわけで、きまぐれムービーシアター第13回
この作品が「上海猛虎」と同一作品かどうか誰か知りませんか?(^^;)…の
爬山虎
をお送りしました!

そこで次回は!

 ロメロ・ゾンビを換骨奪胎!

 (たぶん)日本でもっとも早く公開された「生ける屍(リビング・デッド)」たちの群れ…

「悪魔の墓場」COMING SOON!