Sponsored Link
きまぐれムービーシアター

  心に残るあの迷作を!
    世界の怪作・奇作 大集合!

「お楽しみはここまでだ!」

第233回
吸血鬼ノスフェラトゥ


…というわけで、今回の作品は!

「温故知新」のこの一本!

吸血鬼ノスフェラトゥ(NOSFERATU)だっ!

ストーリー


"ノスフェラトゥ! 血も凍る名前
1838年 ブレーメンに疫病をもたらした張本人か?

私はあの恐ろしい疫病の原因を捜し求めるうち
ジョナサン・ハーカーと妻のニーナにふりかかった 痛ましい事件を知るに至った…"
(ブレーメンの有名な歴史家 ヨハン・ガバリウスの日記より)

というわけでっ! かの有名なブラム・ストーカー原作を 『モチーフ』 にしながらも映画化権が得られなかったがそのために、登場人物・地名を全て置き換えた 『史上最高のパチモノ』 白黒無声怪奇映画の最高峰 「吸血鬼ノスフェラトゥ」 …って? 字幕が"ドラキュラ伯爵(Count Dracula)"になっている〜っ!(実はコレ日本国内でリリースされたビデオ=LDが上記表記の米国版をベースにしているためなんです、が) う〜む、他のキャラならイザ知らず『主役』はあくまで 「オルロック伯爵」 でなくてはあまりに違和感アリアリなので、以下(ドラキュラ>オルロック)と脳内置換で話を進めてまいりましょ!

変わり者で風評芳しからざる不動産業者レンフィールド。 その命を受け『この町(=ブレーメン)で家を買いたい』というオルロック伯爵との商談のため一人トランシルヴァニアに旅立つジョナサン・ハーカー。 馬車に揺られて辿りついた地元の宿屋で「…もぅオルロック城に着いてなきゃいけないんだ−」との呟きに一斉に凍りつく宿客たち

「今行くのは危険だ、日が暮れたら悪霊の天下になる」と半ばムリヤリ一泊の宿 ふと見やるベッドのわきに置かれた本のタイトル 『吸血鬼の書』 "1443年ノスフェラトゥ(不死の者)この地に誕生す…" その内容を荒唐無稽と一笑に付すジョナサンであったが−

「いくら金を積まれてもこれ以上は行けませんぜ−」と強引に降ろされ まだまだ遠い道のりをトボトボ歩くジョナサンの前に幽鬼のように現れる 黒塗りの馬車  乗せられた先、出迎えたのは長身痩躯・黒衣の怪人オルロック 「遅かったな、もぅ真夜中なので召使たちは皆眠っている…」 って、このあたりの展開 メチャもろパクリ!(爆) (公開後、訴えられたという逸話もむべなるかな−)ただこの当時の撮影技術の限界か「真夜中」のハズがどう見ても「白昼」にしか見えないあたりはご愛嬌(笑)

長旅の労をねぎらう宴の席。 自らの前には皿ひとつ並べることなく契約書を読みふけるオルロック伯爵 時おり書類の陰から投げかける猛禽のような鋭い視線がもぅジョナサン気になって気になって(笑) ついウッカリ手をすべらしたパン切りナイフに 「血が!大事な血が!」  そして「−少し話をしようじゃないか  夜明けまではまだ間がある…

翌朝(いつの間に寝入ったのか)陽が昇ると共に重苦しい気分から解放されるジョナサン、ふと鏡に写るその は虫にでも噛まれたのかポツン、ポツンと−(そして再び訪れる黄昏) 昨夜に続き契約書の作成中、書類を取ろうと身をかがめた拍子にカタン、と落ちるロケット「(その写真は)君の奥さんかね?美しい喉をしている−!」わしらは隣人になるのだな、と妖しく笑う伯爵に言い知れぬ不安を覚えたジョナサンがふと取り出した「吸血鬼の書」

"彼が生きるために血は不可欠なり。 被害者の喉についた牙の跡をして 人は吸血鬼の来訪を知るなり−"

もぅこのあたりの展開と引きがマジでムチャクチャ怖いです〜っ!!(汗) んで結局この後地下室に降り  に眠る伯爵の秘密を知ったジョナサンは一人古城に取り残されて(シーツを裂いて紡いだロープで閉じ込められた部屋から脱出) 一方その頃科学で解明できぬ不可解な 疫病 が東欧と黒海の 港町 で発生。  若者を中心に犠牲者が次々とその輪を拡げ− "医療関係者は患者の首筋についた二つの傷跡について頭を悩ませている"(新聞報道より)

やがてブレーメンの港に流れ着く一艘の  自らの身をロープで舵に縛りつけた船長以下だれ一人として生存者の姿なく、船倉に残された公開日誌に記された文字は" 密航者 を見たという噂…" "船倉に ネズミ の群、 ペスト が怖い…" すわ、一大事と 大パニック のブレーメンの街!

"その蔓延を防ぐため、ペストにかかった者を病院に運び入れる事を禁ず" (市長権限による告示) やがて官吏の手によりドアに十字を書かれた家から続々と運び出された棺の列が絶えることなくその道々を埋め尽くし− てな感じの吸血鬼=ペストをオーバーラップさせたセミドキュメンタリー風の巧みな描写にいやます恐怖感っ! イヤ実際 狼や蝙蝠、猫と並んで鼠は吸血鬼の 『使い魔』 とされているわけなんですが (船に積むため)持ち上げた棺の下から一斉に逃げ出すネズミの群(その棺の破れ目からこれまた無数に湧き出すネズミたち)といった "闇の力・魔の力"のシンボルとしての象徴的な使い方が実になんともスバラシィッ!(…撮影中はさぞかし蚤や虱に悩まされたでしょうけど)

−死と恐怖の街と化したブレーメンに(命からがら)戻ってきたジョナサンを喜び迎えた妻ニーナ だがどこかオカシイ夫の様子に「見てはならない」と固く禁じられた『吸血鬼の書』を開いてみれば そこに書かれた恐怖の「真実」 そしてまた、 "…この恐ろしき呪いを解くには 雄鶏が時を告げし後までかの者を自らの側らに引きとどめる他に術はなし−"

かくして自らの血の総てを捧げ、共に吸血鬼を葬ることを決意したニーナ(忍びよるシルエットで表現されたオルロック伯のその恐さ!) 恍惚と血をすする耳朶を の声が打った時、400年の時を生き永らえた『不死の者』のおぞましい影は  朝陽 の中に消えていくのであった…(完)


…という作品なんですが!

いや子供時代にさんざんテレビで聞かされ本で読んだ本作品、「古典的名作」と言う以上に フツーにオモシロ怖い映画です〜ッ!!(いやマジで)

製作が'22年(=大正11) 結局日本劇場未公開のままビデオバブル期まで永らく「幻の作品」だったわけなんですが(その割りに「オカルト映画特集」の定番メニューのひとつだったり) もしこれが当時上映されてたならば日本の怪奇幻想小説に多大な影響を与えていたやも知れず−(ちなみに本作に「宿敵」ヘルシング教授も登場しますがまったく全然活躍しません!)


…というわけで、きまぐれムービーシアター第233回

「吸血鬼ノスフェラトゥ」をお送りしました!

「お楽しみはここまでだ!」