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きまぐれムービーシアター

  心に残るあの迷作を!
    世界の怪作・奇作 大集合!

「お楽しみはここまでだ!」

第256回
遊星よりの物体X


…というわけで、今回の作品は!

「影が行く」のこの一本!

遊星よりの物体X(THE THING)だっ!

ストーリー


「北極は地獄だ!」

「もし千年に一度しか夜がなければ−?」 若干21歳のアシモフに、重大なインスピレーションを与えたSF界の名伯楽=アスタウンディング編集長ジョン・W・キャンベルJrの "作家としての" 代表作を完全映画化! これを観てレビューを書けば、気分はもぅ『まんが道』!(笑)

時あたかも冷戦時代、 アラスカはアンカレッジの将校クラブに 北極基地 より舞いこむ指令
『付近に正体不明の飛行物が落下、至急調査に来られたし』  強力な電波妨害と地磁気の異常に悩まされるもなんとか着陸 そこで彼等が見たものは?!−

高熱により氷土を溶かし 飛行機の尾翼にも似た一部を覗かせ、地の底深く沈みこむモノ(その大きさを測るため、微かに映る輪郭に沿い円形に、手を広げて並ぶ名場面!)−すわ未知の世界のテクノロジー?!− だがしかし、その 『巨大円盤』 を掘り出すために仕掛けた爆薬が引火連鎖で大炎上!! かくして"最初の接触"は夢幻…かと思い、きや−

「何かある?…人間らしい!」
不時着時に脱出したナニモノか、再び氷に閉じ込められたるシルエット。 脚も頭も兼ね備え、ただし2メートルを優に越す−

まわりの氷ごと掘り出しとにかく基地へ。 上層部の判断を仰ぐため、とりあえず凍結したまま見張りをつけての放置プレイ だが氷越しにボウッ…と見えるその異形に耐え切れなくなった兵士のひとりが(視界から遮るため)ウッカリかけた電気毛布。 やがて背を向け机に向かうその後ろ、静かに がポタリ、ポタリと−

(と、ここで極めて重大なお知らせ)
ここまで前半 (ほぼ)原作どおりの忠実なストーリーラインで展開してきた本作品("物体"からの未知の病原体の感染を危惧するなど、50年代SF映画には極めて稀なリアリティも含め)ここからいよいよ最大のヤマ場

『誰が物体Xなのか?!』
(という 神経戦 に突入していく「はず」なんです、が!)

 …ポタリ、ポタリの雫のあとにスックと背後に立つ気配?! 当直の隊員が振り向きざまのピストル発射、そのまま本部にかけこんで 「ヤツが生きている…弾があたっても死なない!」と、これよりまさに <異星人 VS 地球人> 一対一の ガチンコ勝負 !!

このストーリーの根幹にも関わる大変更について、時代的(技術的)な背景(制約)もさることながら、製作(実質的には監督兼任?)のハワード・ホークスが 『隊員同士仲間内、互いに疑心暗鬼にかられるなどという"女々しい展開"を潔しとせず』 お得意の 西部劇のノリ で作ったがゆえ− とはよく聞く話であります、が−

「それならそれ」で、なにもフランケンシュタイン(の怪物)然としたヒューマノイド・タイプにしなくとも 「原子怪獣と裸女」みたいな着ぐるみ( 『三つ目と四本腕』 という記号は原作のソレと一致)にしとけばよかったのにィ〜ッ!

(まぁ「"物体X"が 植物 を起源とする異種生命体で、血液をエサとし増殖する」とか、ソレなりの創意工夫はこらしてあるも ココは「切断された腕の種子から芽が吹いて−」ではなく、せめて「腕一本から全身再生(結果、二体になる)」となるべきシーンじゃなかろうか、と)

−てな感じの多少(?)の不満はさておいて、イザ対決(てかむしろ 『決闘』 の言葉がふさわしい?) ガイガー・カウンターにより見えない敵を『来るぞ来るぞ』と待ち構え ドアが「バーン!」と開いた瞬間 灯油を浴びせ を点ける! (事実上・本編最大のクライマックスのこのシーン、凄まじくサスペンスフルな盛り上げ方には その当時絶対ビビッって夜・夢に観たガキがいるに違いないッ!!)

かくて一度は撃退するも、致命傷にはいたらずに 再度の襲来・最終決戦
電極板に誘い込んでの 電流 放射 血の一滴・カケラまで、焼きつくされる物体X!!

全世界に向け放たれる勝利の一報
「大激戦は人類の勝利に終わった!…だが詳細を話す前に警告したい−」

"Watch the skies, everywhere
keep looking, keep watching the skies!"

(空を見張れ、決して目を離すな!)
−完−


…という作品なんですが!

『冷戦時代』 のキーワードで語られる事の多い本作品 (年代&内容的には「盗まれた街」とかぶるような気もチラホラ) かの有名なラストの台詞  "Watch the sky!"  もその数年後、幼き日のキング少年が『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』を鑑賞中(突如上映中止され)蒼ざめた支配人より、ソ連のスプートニク打ち上げ成功の臨時ニュースを聞かされるという、超絶エピソードと絡めてみれば、かなり意味深・興味津々だったかも−


…というわけで、きまぐれムービーシアター第256回

「遊星よりの物体X」をお送りしました!

「お楽しみはここまでだ!」