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きまぐれムービーシアター

  心に残るあの迷作を!
    世界の怪作・奇作 大集合!

「お楽しみはここまでだ!」

第257回
遊星からの物体X


…というわけで、今回の作品は!

「影が行く」のこの一本!

遊星からの物体X(THE THING)だっ!

ストーリー


「南極は地獄だ!」

…と、いうわけで舞台を再び(原作どおり)南極に戻しての(より原作に忠実な)最新技術のリメイク版! 『鬼才』ジョン・カーペンターの…と、いうよりは−!  『若き天才』 ロブ・ボッティンの、SFX映画史に残る永遠不滅の金字塔!!(まさに「これ以後」映像表現において"不可能"という文字はなくなった、といって過言ではなし)

『リック・ベイカーの造った最高の怪物、それがこのロブ・ボッティン!!』

冒頭、宇宙の深淵・虚空よりブォンと飛来の 円盤 が(大気圏突入の真っ赤な光を放ちつつ)青い地球の一点に消え そこからバリバリと広がる光の奔流に浮かび上がるタイトル・ロゴ− "JOHN CARPENTER'S THE THING" − もぅ何回観てもっ!身震いするほどカッコイィィ〜ッ!!(感動)<ちなみにこのロゴ、前作のソレをそっくり再現…にワザワザ「ジョン・カーペンターの」と冠するところがなんともナイス(笑)

(てなわけで)舞台は 南極  1982年の
ナニモノかを追い地を這うヘリ その獲物は氷原を走る一匹の 。 機外へと身を乗り出し、狂ったように乱射するライフル銃をかいくぐり、犬が逃げ込むその先はアメリカ南極観測隊。 突然の爆音に何事か−?と、飛び出す隊員に助けを求めペロペロじゃれつく犬めがけ、ヘリから下りた男が憤怒の形相乱れ撃ち その流れ弾に当たって隊員負傷の一幕に"正当防衛"応戦射殺の一波瀾

機体の所属は音信不通のノルウェー隊。 ナニかある− と、ヘリで向かって観た物は−?!
破壊 された施設内、(自ら裂いたと思われる)手首より真っ赤な氷柱凍てつく 死体 。 納屋で見つけた "氷の棺" そしてくすぶり煙を上げる、奇妙に捻じ曲がった絡まる 肉塊 −  「人間か…それとも?!」

基地に持ちかえった異臭を放つ焦げた物体・もつれ合う無数の手足、溶けた飴細工のように歪んだ顔。「内臓など必要なモノはそろってる− 心臓、肝臓、胃・腸・腎臓…全て正常だ」(ではこれはナンなのだ?!)深まる謎に暗澹たる想いの隊員たち だが「事件」はその夜に?!

夜が更けて 例の"犬"もひとまず犬舎に− だが突如、牙を剥き唸りを上げて警戒、威嚇・恐慌パニック周りの犬たち。

−と、つぎの瞬間−
ベリベリと裂け「花開く」"犬"の顔面!!

さらに裂けた首から全身から、シュルシュルと伸びる繊毛・触手、触角。 肉が裂け溶け崩れ、 変形 を繰り返す異形の肉体 −異変に気づきかけつけた隊員たちが見たモノは『物体』に捕り込まれ 融合 しつつある犬たちの姿 その背中(?)をはぜ割り現れた巨大なる「腕」 ガッキと天井に爪食いこませキュルキュルと引き上げられた胴体にポツ、ポツと開かれていく「眼」 ガバッと開く裂け目から隊員めがけイソギンチャク様の捕食孔が−!

ブワォッ!と吹き付けられる 火炎放射器 に燃え崩れる悪夢−

一夜空け(そういやここ、南極なのに頻繁に昼夜が訪れるんですよね〜)怪物の死骸から分かった驚愕の事実。一部犬に「なりかけて」いたその部分は(途中で殺されなければ)ソックリ犬に「なりきって」いただろう、と。 そう、少なくとも外見上は…

てなわけで以下(原作どおり忠実に)『誰が物体Xなのか?』の 疑心暗鬼 の神経戦に突入していくわけなんですが! ノルウェー基地から持ちかえりの資料(旧作の 「輪郭に沿い輪になって」 を嬉しく再現)を元に現場に出向き見たものは、発掘しかけの謎の 「円盤」 (周囲の地層の様子から、推定年代10万年前)これより明らかになったのは、 有史以前 に地球に辿り着いた異世界からの訪問者。 (厚く冷たい氷の下で永遠に眠り続けるはずだった)その『物体』は他の生命に同化し無限に増殖−いずれ全世界が同化される、と

かくて互いに疑惑の眼「もし偽者だとして…どうしてそれが分かるんだ?!」
ソレを見分ける 血清テスト  だがナニモノかに保存血を捨てられ無残にオシャカ(原作ではこのあたり、さらに二転・三転のヒネリがきかせてあるんですが)そうこうするうち次々に、怪物化・処刑されてく隊員たち。 このままではいずれ全員同化され、春の交代要員を餌食に全世界が侵略されていくことに−

(と、ここで目からウロコの判別法?!)
心臓発作の隊員に、電気ショックの胸パックリ 飛び出す怪物、さらにブチブチ千切れた から手足が生えてカサササ…と!?(結局どちらも焼却処分になるわけですが)  「体中が独自の命をもって生きている− 人の流す血はただ静かに死ぬだけ だが怪物の血は…戦う!」 バーナーに した 針金 を全員より 血液 採取のシャーレに、ジュッ。  「くだらん…意味がない!」(ジュッ)「分からんぞ(ジュッ)君の番になればなー」

プギャーッ! と悲鳴をあげ飛び散る鮮血
ガタガタブルブル変身開始!(このシーン結構椅子から飛びあがったり)

原作ではこの後、見破られた『怪物たち』が「一斉に」その正体をあらわし 生き残りの隊員たちとの総力戦・クライマックス突入していくわけですが! このあたり(本編では)わりとアッサリかたがつき、ここまで次々凄いモノを見せられて「つぎはどんなだ?!」と期待し続けていたのが(これ以後)ハレホレ失速なんですが(汗)(だいたいこの映画 「飛び散った血の一滴までも酸で焼く」 原作の徹底ぶりに比べ ダイナマイト でふっ飛ばしたりなんだかアバウト)

(それはさてき)『最後の一体』 気がふれて隔離されてた隊員が実はすでに同化され、ありあわせの材料で完成直前脱出用の ミニ円盤 (さてここまでは原作どおり)間一髪しとめられ「めでたしめでたし」ハッピー・エンドになる−はずが?

発電設備を破壊され、いずれ気温は氷点下。 生身の人間は座して死すのみ、だが『物体』は春の訪れ待てば良し− てな「死なばもろとも」悲愴な覚悟の 玉砕戦  基地内各所に爆薬仕掛け 地獄の旅の道連れに!(だから飛び散る「破片」はどーするの?)

ここで登場(いわばラスボス)
なんだか分からぬオブジェクト!!

イヤこのシーン本来ならば 『今まで融合した全生物の集合体』 的「いかにも」なキャラをモデルアニメで撮影済…のところ「監督の意に添わず」あえなくボツ!(まぁ尽きてたんでしょうねー 気力も予算も)的「やっつけ仕事」?のクリーチャーも紅蓮の中に! 辺り一面瓦礫の炎 ヨロヨロと腰を落とす(最後に残った)隊員の、背後にユラリと立つ影−「?!」

「…どこにいってた」「途中で、見失って−」互いに向け合う疑惑の目
「言っておくが−」(それを制して)「…聞いても"そうか"と言うだけだ」(では、どうする−との問いかけに)「座って、ナニが起こるか待つんだな…」末期の酒(ボトル)を酌み交わす、ふたりを照らす残り火が徐々に、徐々に−(完)


…という作品なんですが!

イヤ〜なんといってもロブ・ボッティン!! かってオブライエンの「キング・コング」に魅せられて『その道』を選んだ少年たち(かのハリー・ハウゼンもそのひとり)がいたように、当時この映画に衝撃を受け将来の特殊効果マンを目指したガキが世界中・絶対いたに違いないッ!!

−と、いうぐらいに凄まじい 映像体験 だった『物体X』の目くるめくメタモルフォーゼ万華鏡! −で、ふと思ったのが"メタモルフォーゼ(&グロテスク)大スキ"の『マンガの神様』手塚治虫。 公開当時はまだご存命の手塚先生、『物体X』を観ての感想…てなエピソードは(寡聞にして)聞いた事がないんですが(短編「嚢」なんか見ていると)イメージ的にはかなりスィングするような−(マンガと言えば「寄生獣」なんか結構影響受けてる気もしますが イメージ的にはむしろ時代が先行の「魔獣戦線」実写化したらちょうどこんな感じかと)

しかしこの時代 モデルアニメを「過去のモノ」にしてしまったこれらの技術も、やがて(一部は安価の理由で)CGI等デジタル技術にとって代わられていくのも栄枯盛衰というべきか−


…というわけで、きまぐれムービーシアター第257回

「遊星からの物体X」をお送りしました!

「お楽しみはここまでだ!」